真和志地区大会もそうだったけれど、ブロック大会でも「投手板の同時外し」が多くみられました
あまりに多すぎて ”ボーク” をとることを躊躇しそうな状態に、「このままじゃいけない」と一人熱くなっているオイラがいる
2025年3月の「審判部員向け審判講習会」の内容と被るのだけれど、新たに入手した情報も合わせて、改めて周知しますね
公認野球規則5.07投手 a正規の投球姿勢 2セットポジション 注5 に「…軸足を投手板に触れてボールを両手で保持した投手が、投手板から軸足を外すにあたっては、必ずボールを両手で保持したまま外さなければならない。また、軸足を投手板から外した後には、必ず両手を離して身体の両側に下ろし、あらためて軸足を投手板に触れなければならない。」とある
これが根拠となって「同時外しは ”ボーク”」となる
ただし、2024年の県連審判技術伝達講習会において、下記の解釈変更が告げられている
- 同時に外すだけの場合は“ボーク”とせず流してください
- 同時に外した後に塁に偽投した場合は、さかのぼって「同時に外した」ことで“ボーク”としてください
- 2.のうち、二塁に自由な足を踏み出して偽投した場合は、“ボーク”とせず流してください
- 同時に外した後に塁に牽制した場合は、自由な足を塁に踏み出していれば、“ボーク”とせず流してください
2~4については、投手板を外していないという解釈で、”オン・ザ・ラバー” の状態と同じジャッジをすることになります
正確に理解していない審判員も多くいるし、指導者も選手も理解できてない部分なので、ちゃんと周知して、徹底されるように取り組む必要があります
この件に関して調べていく中で、新たな発見があって…
5.07 a 2 中段 に「セットポジションをとるに先立って、片方の手を下に下ろして身体の横につけていなければならない。この姿勢から、中断することなく、一連の動作でセットポジションをとらなければならない」とある
実際に、セットポジションをとろうとして、セットポジションを取る前に再び片方の手を下に下ろすと ”ボーク” になりますよね(準備動作(投球に関連する動作)の中断)
また、公認野球規則5.07投手 d塁に送球 に「投手が、準備動作を起こしてからでも、打者への投球動作を起こすまでなら、いつでも塁に送球することができるが、それに先立って、送球しようとする塁の方向へ、直接踏み出すことが必要である」とある
これにより、準備動作を起こしたあと、セットポジションをとる前に牽制してもいいことが分かる。
では、準備動作を起こしたあと、セットポジションをとる前に投手板を外すとどうなるのか?
これも ”ボーク” ではないでしょ…と思ったけれど、「準備動作(投球に関連する動作)の中断」と言えるケースですよね?…送球もしてないし…しかも、公認野球規則、競技者必携ともに、これについて記載がない
困ったときにはコイツ…「野球規則を正しく理解するための野球審判員マニュアル」…テッテレー…
野球審判員マニュアル Ⅳ投手に関する規則 1ワインドアップポジション に「”投球に関連する動作” においては、途中で投手板から軸足を外すことができるし、塁へ送球することも許される」とある
途中でやめたら(一時停止も含む)中断として ”ボーク” となるが、「牽制する」「投手板を外す」は認められているとのこと。もちろん塁への偽投も認められる
セットポジションを取る前に投手板を外すことが ”ボーク” ではないということが分かって、ひと安心と思いきや…
前述の 5.07 a 2 注5 をよく読んでみると「…軸足を投手板に触れてボールを両手で保持した投手が、投手板から軸足を外す…」とある
これは、ボールを両手で保持したら同時外しは認めない…ということになり、前述の「準備動作を起こしたあとに投手板を外す」「準備動作を起こしたあとに牽制(偽投含む)」のときは、ボールを両手で保持する前なら、同時外しでも ”ボーク” にはならないということになる
ボールを両手で保持した時点でジャッジが変わるので、安易に「同時外しは ”ボーク”」とだけ覚えていたら、痛い目に合いそう
それと、「セットポジションをとったら」ではなく「ボールを両手で保持したら」なので、混同しないようにちゃんと覚えておいてくださいね
*セットポジションをとる=「ボールを両手で保持」+「完全に停止」
気になったルールを確認するときに、たまたま目に入った条項に驚くことは多々あるので、皆さんも、せっかく入手した「公認野球規則」と「競技者必携」なので、開く癖をつけてくださいね
また、「野球規則を正しく理解するための野球審判員マニュアル」があると、さらに深い理解へとつながりますよ
